2012-03-30

Lav Jig

GOM(メイン湾)のタラ釣りに使うジグの定番は、ノルウェースタイルのジグ。Sølvkroken の Svenskepilk Rustfri は輸入品にもかかわらず、比較的どこでも手に入る。GOM では、300フィートぐらいの水深での釣りになることが多く、潮流も早いために、この Svenskepilk Rustfri では500gのサイズがよく使われる。このジグ、表面がステンレスで覆われており、何度使っても金属の光沢が衰えない。(ただし、この金属光沢に意味があるかというと、水深200フィートを超える海底ではあまり意味がないという説が有力。)

インターネットの掲示板などでは、どのジグがよいかいろいろ議論されているが、Block Island などでは10オンス程度のダイアモンドジグ。GOMでは、この Svenskepilk Rustfri に加えて、Angerman Jig や Lav Jig がタラ釣りの常連の連中に人気がある。

Maine の Bunny Clark では、Lav Jig の16オンスが標準になっている。Lav Jig には、10オンスから2オンス刻みで16オンスまであるのだが、私もこの16オンスが好み。14オンスでも問題なく底が取れることがほとんどなのだが、このサイズは他のサイズに比べてずんぐりむっくりで、水の抵抗が大きい感じがする。16オンスはすらりとして、他の Norwegian Jig に比べても、長く、比較的まっすぐな形をしている。多少潮の流れが強くても、スーッと落ちていってくれる。

Lav Jig はもともと、Dennis LaValley という人が個人で作成して、ほんの一部のタックルショップ以外は通販でしか手に入らなかった。この通販も、Dennis に直接メールを送って注文し、チェックを送るという形をとっていた。昨年、この Dennis がこの Lav Jig の権利を売り渡して、現在は Fish-On Tackle というところが売っている。この新しいオーナーは、製造方法を改善して、Lav Jig の問題だったスイベルを装着するワイヤーのクリアランスを広く取っている。また、Dennis が原材料が高騰してやめてしまった、クロム鍍金バージョンも復活させた。

左の写真で、上が以前のもので下が新しいもの。新しいのはクロム鍍金バージョン。

スイベルが装着されている部分を拡大してみると、 ワイヤーの幅が広がっているのがよくわかると思う(左が新しいバージョン)。以前のものはこのクリアランス小さく、ものによっては、スイベルが横向きにスタックしてしまうことが時々あった。

先日、Bunny Clark と Clipper Fleet でマラソンの予約を入れた。Bunny Clark は5月、6月、10月にそれぞれ1日ずつ。Clipper Fleet のほうは、4月末。Lav Jig のストックが少なくなっていたので、写真の16オンスのクロム鍍金バージョンを5つ注文。それから試しに、Wounded Herring Jig というのを1つ買ってみた。 新しいサイトでは、オンラインで注文でき、PayPal での支払いが可能。ずいぶん簡単になった。



2012-03-26

カスタムロッド 2012 冬 その3

釣りシーズンが始まるまでに完成する予定だった8本のうち、先週2本を仕上げて、合計5本完成。

先週仕上げた1本は、釣り友達のHさんからの注文。ロードアイランドの春の船からのイカ釣り用のロッドが欲しいとのこと。昨年末に私の家でパーティをしたときに私の使っているロッドをいくつか触ってもらって、結局、私が2年前にまったく同じ用途に作ったロッドと同じブランクが良いという話になった。

このブランクは、Mudhole MHX CB841-Blend。7フィートのブランクで、ラインレーティングが6-12ポンド。アクションは Mod-Fast。本来はバス釣りのクランクベイト用で、中弾性と低弾性のカーボングラファイトを使って、荷重をかけていくとなめらかに胴にかけてベンドしていく。ただし、そこそこ硬いレジンを使っているようで、穂先はしなやかながらも、振動が敏感に伝わってくる。

予算を考えながらも、まぁ今時のロッドということで、Fuji のKシリーズのアルコナイトリングのガイドをバット側から、25 - 16 - 10 - 7 - 5.5 - 5 - 4.5 - 4.5。トップは BMCAT 4.5/4.5。リールシートは VSS-16 をダウンロック。リールシートの先端は青いアルマイト仕上げのトリムリングのみで、フォアグリップはなし。

リアグリップはスプリットで、ブランクが露出する部分は、きらきらした青いホログラムスレッドを巻いた。昼に明るいところで見ると、かなりきらきらしていて、ちょっと派手目。

もう1本は、Marblehead での岸からのイカ釣り用。つい先日、友人2人に作ったロッドとかなり似ているが、こちらは自分用で、ソリッドグラスの穂先を継ぐといった面倒なことはしていない。

ブランクは Cabela's で買った、SP720。6フィートの中弾性のブランクで、ラインレーティングは2-6ポンド。ガイドは、先日のロッドと同じく、PacBay の Minima 4 を使ったが、こちらは自分用のロッドで予算はあまり気にしていないので、TiChrome 仕上げのもの。

リールシートは VSSD-16。フォアグリップレスで、 リールシートの先端には、黒地に金色のディンプルが入ったトリムリングを装着。このトリムリングの直径と、シートのパイプの直径が合わなかったので、ラバー製のホーゼルを切って間に挟み、レッドメタリックの糸を巻いた。

こちらのロッドにも、ドロップショットスタイルのフックキーパーを装着。

バットグリップはかなり短めのスプリット。

仕上げに、Marblehead Squid Specail II とプリントしたデカールを貼って、ロッドフィニッシュをペイント。

あと残るは3本。そのうち1本は、パーツを注文するときに間違ってしまい、ガイドが足りなくなってしまったので、新たに注文した。他の2本は、とりあえずグリップを作成し、スプリットグリップで露出する部分に糸を巻いて、ロッドフィニッシュを塗ったところ。これが乾いたところで、リールシートを接着し、ガイドを巻き始める。今週の後半のどこかで完成の予定。


2012-03-17

カスタムロッド 2012 冬 その2

こちらは釣り友達の Tony のために巻いたロッド。Salem や Beverly のピアからジグサビキで鯖を釣るためのロッド。以前に、Mudhole MHX の CB847-Blend という7フィートのブランクを使って作ってあげたのだが、Tony はこれが気に入らなくて、結局釣り仲間に売ってしまった。彼が言うには、7フィートは長すぎて扱いにくい。それからもっと硬いのが良いとのこと。私からすれば、CB847 は鯖などの小物を釣るにはやりすぎ(ヘビーアクションすぎる)だとは思ったのだが、とにかく硬いのが良いというので使ってみた。しかし、それでもティップのベンドが気にいらなかったようだった。

彼の言う硬いというのがいまひとつ理解できなかった。硬いというのがいわゆるヘビーアクションのことなのか、高弾性のことなのか。それで昨シーズン手持ちの Shimano の Travela シリーズのスピニングロッド(110-240g の Butterfly Jig 用のロッド。ラインレーティングは PE の 50-100 lbs)を見せて、まさかこんながちがちのロッドじゃないよねと聞いてみたら、驚くことに、こんなのが良いとの答え。結論としては、2oz ぐらいのジグをキャストしても、ティップがあまり曲がらないようなロッド。

オフショアジギングに使うブランクは直径は小さいが、ウォールが肉厚に作ってある。大きな荷重がかかっても粘りがでるように、グラスファイバーとグラファイトのコンポジットになっており、見た目のサイズの割にはかなり重い。正直言って、このようなブランクを鯖釣りに使うのはやりすぎだよなと思いながら、Tony にじゃぁ考えておくねと言っておいた。

いろいろブランクを検討していたのだが、該当するようなブランクは、どれもこれも 5oz 以上の重さで、どう考えても岸から何度もキャストを繰り返すような釣りにはちょっときつい気がした。

昔、Mudhole の在庫処分で1本8ドルくらいで売っていたブランクが1本まだ残っていた。このブランクは感じとしてはバス釣りのキャスティングロッド用で Heavy - Extra Heavy の6フィート4インチ。ラインレーティングは12-20ポンドといったところだろうか。中弾性のグラファイトのブランクで、ウォールは薄く、それほど重くない。新しいブランクを買って Tony がまた気に入らなかったらいやだし、このブランクならだめもとで良いと思い、ようするにティップが曲がらないのがいいならティップをトリムしてしまえということに。結局ティップ径を8(8/64 = 1/8 インチ)になるように先端から切り落とし、全長6フィート2インチに。

Tony はかなり保守的なデザインが好みなので、リールシートには定番の Fuji の DPSM を使い、黒の EVA を整形して特に特徴もないフォアグリップ、バットグリップを作る。バット側は彼のリクエストでかなり短め。ガイドは、Fuji のアルコナイトのコンセプトガイド。ガイド巻きの糸は、Mudhole の新製品のタイガースレッドというのを試してみた。カラーは 2003 Burnt Red/Yellow/Black。Mudhole のサイトのサンプルよりはかなりくすんだ色。仕上がりはかなり渋い色調になってしまった。あまりにも渋すぎるので、パールカラーのトリムリングを追加。

いつものように、Brother の P-touch でラベルを作成、クリアーのテープに白の文字で、"Salem Inshore Spinning 6'2" XH" と印刷。P-touch はラベルの作成が簡単にできるのだが、じかにロッドフィニッシュを塗るとはがれてきてしまう。これを防ぐために、ラベルをロッドに貼り付けた後、カラープリザーバーを重ね塗りしてからロッドフィニッシュを塗るようにしているのだが、どうもラベルの端が白く浮き出てしまう。何かきれいにできる方法はないものか。

仕上がりは...結構無茶なロッドだが、Tony が気に入るかどうか。まぁ、ブランクもただみたいなものだし、だめもとで。

2012-03-14

カスタムロッド 2012 冬 その1

昨シーズン、釣り仲間からいくつかロッドの注文を受けて、ブランクやらパーツをオーダーしたのが12月。昨年末から今月の初め頃まで本職の方が忙しくて、あっという間に3月になってしまった。注文を受けたのが6本。それに自分用に2本。4月頃までには全部できるかなと思っていたが、だいぶ予定より遅れている。今日やっと釣り仲間用に作ったロッドが2本完成した。

この2本は、Marblehead のイカ釣りに最適化したロッド。ガイド巻きの糸と飾り糸の色以外はまったく同じ仕様。一昨年、釣り仲間の Tony に巻いたロッドと同じく、Mudhole のお安い IM6 のブランク IS561L (line wt. 2-4) の先端を 40cm ほど切って、アイスフィッシング用のグラスソリッドのブランクを穂先にしたもの。これに、PacBay の Minima 4 というセラミックリングのない軽量ガイドをバット側から 20-10-7-5-5-4-4-4。これに Minima 4 のサイズ4 のトップ。

Tony はかなり保守的で、スプリットグリップや、フォアグリップレスは好きではないのだが、今回は釣り仲間の Kenny と Oさん向けなので、ちょっとモダンなグリップにすることに。Fuji の VSS-16 をダウンロックで、リールシートの先端はテーパーの付いたラバーのワインディングチェックを入れて、その上に飾り糸を巻いた。

バットグリップは、EVA のスプリットグリップ。Marblehead でイカ釣りをするギャングウェーの手すりに干渉しないように、リールシートからバットエンドまでの長さをかなり短くしてある。
グラスソリッドを穂先に使っているのと、リールシートをかなりバット側に装着しているので、バットエンドに少しカウンターウェイトを入れる。このロッドはサイズの割には少し重めだが、ノーシンカーで Naory の 1.8 を直結という、Marblehead のイカ釣りには、イカがのったときの穂先のしなやかなアクションがかなり良いと思う。

仕上げには、Marblehead Squid Special 2012 とプリントされたスティッカーを Brother の P-Touch で作り、ドロップショットスタイルのフックキーパーを装着。

ブランクとパーツ代は合計約45ドル。高級なパーツは何も使っていないが、Marblehead でのイカ釣りという目的にはかなり良く出来ていると思う。