2012-04-16

カスタムロッド 2012 冬 その4

先週、シーズン前に作る予定だったすべてのロッドの作業を終えた。1本は釣り友達の Keny から頼まれていたもの、1本は Tony からの以来。最後の1本は、私自身のもの。すべて MHX のブランク。


Keny からの依頼は、Gloucester の State Pier から、鯖を釣るためのロッド。使用したブランクは SB812-Blend。6フィート9インチのブランクで、ラインレーティングは 10-17ポンド。所詮鯖釣りなので、もうひとつラインクラスが下のものでもよかったかもしれないが、SB811 でもブランクの重さは同じようだし、ダブル、トリプルでかかってもそのまま抜きあげる釣りなので、SB812 にした。アクションは Extra Fast。ティップはわりと細くて、張りはあるものの柔らかめだが、テーパーがかなりついており、バットのほうはかなりパワーがある。3本針の小エビをつけた胴付き仕掛けで、軽くしゃくりながら探ってくるという使い方には良いアクションだと思う。

ガイドは Fuji のKシリーズの Alconite リング、ステンレスフレーム。グリップは Fuji の VSS-17 をダウンロックで。ロックナットは、Fuji の KDPS を少しカットして、EVA を整形したフードを被せる。
ガイドラップは、ProWrap Tiger Thread の Yellow/White/Black にレッドメタリックのトリムリングを両側に。

Tony からの依頼は、Salem の Congress St. でスメルトを釣るための長くて軽いロッド。Salem の Bridge Street Bait and Tackle という店に、Richie という人がいるのだが、この人はスメルト釣りの名人で、時々Tony やその仲間が釣りをしている Congress St. の Water Taxi のポンツーんにちょこっとやってきては、他の人がぽつぽつしか釣れないところを、2時間くらいでリミット近く釣っていくとのこと。Tony はいつも悔しい思いしており、ぶつぶつ私に文句を言ってくる。Richie は10フィートくらいの延べ竿を使っており、Tony もそのぐらいの長さの竿が欲しくなったというのがきっかけ。

長くて軽い(片手で長い時間扱える)となると、いわゆるヌードルロッドと呼ばれる、サーモン、スチールヘッド、トラウトなどに使われる、胴調子の細いものくらいしか思いつかない。MHX のスチールヘッド、サーモン用のブランクに、このような条件を満たすものがあったので、Tony に少し高くなるけど(全部で100ドルくらい)それでも良いかと確認。Tony が私に依頼してきたときはだいぶ熱くなっていたので、とにかく作ってくれとのこと。使ったブランクは、ST1141-MHX。9フィート6インチ、2ピースのブランクで、ラインレーティングは、2-6ポンド、重さが1.9オンスと超軽量。

Tony はスプリットグリップなどが嫌いなので、非常にオーソドックスな Fuji の DPSM-16 に短めのフォアグリップをつける。バット側はこの長さのロッドのわりにはだいぶ短め。ブランク自体はかなり軽量であるが、ブランクが長いために、持ち重りがする。結果として、かなりカウンターウェイトを埋め込むことになった。ガイドは少々予算を抑えるために、Fuji のYガイド。Alconite リング、ブラックのステンレスフレーム。シンプルに、ProWrap Metallic Twist のシルバー/ホワイトをシングルラップ。シンプルすぎて寂しかったので、ブランクのラインレーティング等を記したスティッカーの両側にマーブリングを施した。

一番最後は、自分用のロッド。ロードアイランドの船からの釣り用に、少々硬くて張りのある軽めのロッドが欲しかった。以前も何度か書いたが、私は船からのイカ釣りは2つの釣り方を使いわけている。以下の活性が低く、底にべったりついている時は、ジグのアクションはゆっくりしゃくっては、時々停止。この釣り方には、胴調子の少し柔らかめのロッド(先日、友人のHさんに作ったようなロッド)が好みである。以下の活性が高く、表層から中層にイカの群れがあり、ジグを見るとすぐに飛びついてくるような時は、3/8オンスから1/2オンス程度のメタルジグをフリーフォールさせた後に、鋭いジャークという釣り方が良い結果をあげている。感覚的には、ジグに飛びついたイカをこちら合わせで引っ掛けるという感じだろうか。このような釣り方では、ジャークしたときにビシッと穂先がついてきて欲しいのだが、このようなロッドは持っていなかった。

ということで選んだのは、SJ843-MHX。7フィート、Fast Action のブランクで、ラインレーティングは8-15ポンド。Keny のロッドに使った SB812-Blend に比べると、似たようなパワーだが、ティップが少々太め、バットが少々細めである。MHX シリーズ全体に言えるが、中弾性のカーボンを使っている割にはレジンが硬く、張りがある。ブランクのウォールはそれほど薄くはないため、高弾性のきんきんのロッドに比べると、粘りがあるような感じ。

リールシートは Fuji VSS-17 で、ちょっと試しにアップロック仕様にしてみた。ロックナットは Keny に作ったロッドと同様 KDPS に換えて、自分で EVA を削り出したフードを被せた。この加工はかなり面倒だった。
ガイドは Fuji Kシリーズの Alconite リング、ブラックのステンレスフレーム。ガイドラップはブルーメタリックの下巻きに、ProWrap Tiger Thread。上の Keny に作ったロッドとちょっと違った感じにしたかったので、カラープリザーバーを塗らずにロッドフィニッシュを直塗りしたところ、透け透けになってしまった。スプリットグリップのブランクが露出したところも同じ糸を使ったのだが、だいぶ違った感じ。統一感がなくてちょっと失敗。

フォアグリップの前がスプリットグリップの装飾と同じになるようにしようとしたのだが、なにか間抜けな感じになってしまった。その間抜け具合が我慢できなくなり、またマーブリング。今回は何本も同時に巻いていたので、最後の方は計画性に欠いてきていた。やはり、カラースキームとかしっかり決めてから巻き始めないとぐたぐたになってしまう。

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