2010-03-31

GOMの乗り合い船

メイン湾の Jeffreys Ledge, Tillies Bank, Stellwagen Bank はアメリカ北東部のタラ釣りのメッカで、マサチューセッツからメインの南部にかけていくつもの乗り合い船がある。春先には、ロードアイランドやニューヨークの船もメイン湾まで遠征に来る。私の家から1時間程度で行ける範囲には、次のような乗り合い船がある。

Bunny Clark, Ogunquit ME - http://www.bunnyclark.com/
Eastman's, Hampton NH - http://www.eastmansdocks.com/
Al Gauron, Hampton NH - http://www.algauron.com/
Yellow Bird, Hampton NH - http://www.yellowbirdfishing.com/
Captain's, Newburyport MA - http://www.captainsfishing.com/
Clipper Fleet, Newburyport MA - http://www.clipperfleet.com/
Yankee Fleet, Gloucester MA - http://www.yankeefishing.com/
Yankee Capts, Gloucester MA - http://www.yankeecapts.com/
Walsh's, Lynn MA - http://www.walshsfishing.com/

私のような通常の会社勤めの釣り人は、船での釣行は主に週末となる。私はあまり計画的な人間ではないので、週末の釣りの計画は、その週の天気予報を見て決めることが多い。上記の乗り合い船の中でも人気のあるところは、直前に電話しても予約がいっぱいで行けないこともある。また混雑した船では、ジグをキャストするスペースがなかったり、ライントラブルが多いので、数年前からどちらかと言えばあまり人気のない船に行くようになった。正直行って、どの船に乗ってもだいたい同じエリアで釣りをしているので、どの船に乗ってもあまりかわらないと思っていた。

ところが去年の7月のはじめ、以前から気になっていた Bunny Clark でまだ空きがあるという情報がフィッシングレポートのページにあったので、行ってみることにした。この船はロブスターボートを乗り合い船に改造したような小型の船で、MAX でも30人しか乗せない。ちょっと波が高いとずぶぬれになるような船で(移動中は、ビニール製のカーテンで、ベンチのあるエリアをカバーする)、お世辞にも快適とはいえない。

船は、キャプテン1人とクルーが1人。これがまた良く働く。釣り上げた魚はクルーがすぐに客毎に割り振った番号のマーキングをして、プラスティックのコンテナに入れ、手が空いたときにどんどんおろしていく。おろしたフィレは、やはり客毎に割り振ったバケツに入れて行き、そのバケツには順々にホースで冷たい海水を流して、フィレが痛まないようにしている。ある程度フィレがたまると、順番にビニール袋に詰めて行き、それを氷を敷いたプラスティックのコンテナに並べて日陰においておく。(この船はスペースがないために、魚を入れる大型のクーラーボックスは持ち込めない。)

フィッシンググランドも本当にあちこちのポイントを適切に選んで、本当に”釣らせる”船である。ハドックを狙うと言ったら、本当にハドックが釣れるし、ポラックと言えば、本当にポラックが釣れてくる。

この船には去年3度のることができたが、そのいずれも大釣り。7月の2回は本当に休む暇もなく、笑ってしまうほどよく釣れた。ただ Bunny Clark は本当に人気の船で、例年は2月1日の午前0時のそのシーズンの予約受付開始からその日の朝までに、ほとんどのマラソントリップは予約が埋まってしまうとのこと。(逆に、夏期の普通の Full Day はそれほど前に予約しなくても大丈夫のようである。ただ Full Day は8時から3時で、釣り時間が短い。)

2010-03-30

2010冬プロジェクト - 最後の2本

5本目は一番気合を入れて作ったロッド。JAWS の7フィート6インチのブランク B7601(12-20lbs) に緑色の EVA グリップ素材を整形して、スプリットグリップにした。ブランクの型番が表示されている部分が隠れないように、バットエンドとリアグリップを取り付けた。バットエンドは、黒色の既製の EVA のファイティングバットをカットして、緑の EVA 素材を接着したのちに、形を整えた。


リールシートは Fuji の ACS。ブランクが露出していて、ロッドを握ると人差し指が直接ブランクにあたるようになっている。ガイドは Fuji のシリコンカーバイト。バット側から MNSG 16 - 10 - 8 - 10、続いて、LNSG 10 - 10 - 8 - 8。トップは FST 8。反時計回りのスパイラルに配置してある。

ガイドラップは Madeira の蛍光イエローを下巻きにして、紫のスレッドでガイドを固定。その上にさらに濃い緑色のスレッドのトリプルラップ。今回は丁寧に巻いたので、なかなか満足 のいく仕上がり。



このロッドは、ポーギー(鯛)やブラックシーバス、浅場のフルーク(ヒラメ)の船釣りロッドにする予定。以前も書いたが、軽い荷重の時はティップ部分だけがしなるが、そこからさらに荷重を掛けていくと、バットまでベンドしていくような感じ。ラインレーティングの割にはかなり粘りがある。ブランクのウォールが厚めで、ちょっと重い気がするが、リールを装着した際の重心が、ロッドを握る部分から5cm くらいのところなので、それほど重みを感じない。


6本目は、Mudhole の1本 $4.95 のバルクブランクを5フィート6インチにカットしたもの。釣り友達の Tony が、もっと重いアクションの短い竿があったらいいなと言っていたのを聞いて、作ってみた。確かに、市販の5フィート6インチのロッドは、トラウトやパンフィッシュ用のウルトラライトのものばっかりなので、彼の言っていることもわかる。これはティップから10cm以上カットしているので、もとのアクションとはだいぶ違うものになっている。(普通、ティップ側からカットするのはご法度)

こちらも、EVA グリップ素材を適当に切って形を整えてスプリットグリップにした。リールシートは Fuji の DPSM。Mudhole 特注カラーで、赤のトリム。化粧巻きに、タイガーラップを施してある。


ガイドは、Fuji のハードロイのコンセプトガイド。下巻きはなしで、Madeira の水色のスレッドでガイドを固定。その上に、赤のスレッドを巻いてある。シーズンが始まって Tony が欲しいと言ったらこのロッドを譲ってあげようと思う。Tony はリタイアしていて時間があるので、自分で Sea Worm を掘っている。この Sea Worm を時々融通してもらったりしているので、そのお礼代わり。



釣り車

2002年の夏に Mazda Protege 5 (ファミリアスポーツワゴン)を新車で買ってかれこれ8年足らず。走行距離はもう少しで10万マイル。この車、燃費も良くて、特に不満はなかったのだが、さすがにがたがきはじめた。

この車はブレーキがさび付いてしまう欠陥があり、一度キャリバー交換とディスクのリサーフェースをしたのだが、また同じ症状が出てきた。昨年、エンジンのアイドリング不調の修理をしたときに、近いうちにブレーキの修理が必要だねと指摘された。そのときの見積もりでは、パーツ、工賃含めて800ドルちょっと。それから、そろそろタイミングベルトの交換時期でもある。これもどうやら最低500ドル以上かかるらしい。さらに、リアフェンダーとバンパーの境界あたりに錆がふきだしてきた。それも両側。これは海に行って潮風にさらされているところに長く置くことが多いためかと思ったが、どうやら Protege 5 の共通した問題らしい。あと数年乗ろうと思ったら、多分修理と整備で2000ドルは行くと思われる。

ということで、いろいろ車を物色していた。条件は、燃費が良く、8フィートのワンピースロッドを運べること。それから、カヤックが積みやすいこと。となると、セダンは無理。どうもアメリカでは乗用車ワゴンというのがあまり売っていない。ワゴンとなると、ヨーロッパ車になるため、非常に高価になる。どうせ釣り道具等、きれいに乗るつもりはないので、高い車を買う気がしない。スバルのアウトバックか、フォルクスワーゲンのジェッタワゴンか、それとも変わったところで、シボレーのHHRとか。あれこれ悩んでいたが、なかなか決まらない。

うちにはもう一台、奥の使っている Honda Element がある。こちらは、Protege 5 のちょっと後に買ったのだが、奥は買い物と、子供のお稽古事の送り迎えくらいしか使わないので、まだ3万マイルもいっていない。もう7年たつが、まだきれいなものだ。

いろいろ悩んだ末、私が奥の Element を引き継ぎ、Mazda 5 (プレマシー)を買って奥が乗ることにした。日曜日にディーラーに行って、さっと決めてきた。Protege の下取りの値段などあまり納得のいくものではなかったが、この年になるといくつかのディーラーをまわって、少しでも安く買おうという気力がないので、最初の提示価格から500ドル引きにカーゴカバーとオールウェザーマットを付けるというところでさっさと妥協してきた。(購入前の調査ではあと500ドルぐらいいけるはずだが、粘る気力が...)。月曜日の夕方に車を取りに行って、正式に今日から Element が私の車になった。

ちょっと奇妙な話。日曜日にディーラーに行って Protege から降りたときに急に腰痛になった。過去に、仕事が忙しくて椅子に座りっぱなしのときに腰痛になったことはあったが、最近はまったくなかった。日曜日に家を出たときはなんでもなかったのに、ディーラーに着いて急にである。月曜日は椅子に座っているのがつらくて、家で寝転びながら仕事をしていた。さすがに今日はだいぶ良くなったが、いったい何だったんだろう。Protege 5 ののろいかな。

さて、引き取った Element。ルーフラックがないので、さっそく注文。今シーズンどのくらいカヤックフィッシングに行くかわからないが、やはり行きたくなったときにないのは困る。それから、長いワンピースのロッドを運ぶのに、天井にぶら下げるラックがあるといいなと思っていたのだが、どうやら7フィート以上の竿は真っ直ぐ入らない感じなので、どうしようか悩んでいる。

2010-03-23

アブラツノザメ - dogfish

今日ニュースを読んでいたところ、どうやらアブラツノザメの輸出に関する規制の提案がワシントン条約締結国会議で否決されたのこと。

このアブラツノザメこと Spiny dogfish はこの辺りではおなじみの小型のサメである。以前、このアブラツノザメが絶滅の危機にあるというニュースを読んで少しびっくりした。

この辺りでは、タラの乗合船では厄介ものとされているサメである。特に6月を過ぎると、GOM のタラのフィッシンググランドに大群が現れ、これまた次から次に釣れることがある。去年の7月にタラの乗り合い船でタラがまったく釣れずに、ハドック狙いになったことがあったのだが、この時は dogfish の大群で釣りにならなかった。ジグを使えば、dogfish を避けてタラやポラックを釣ることもできるのだが、ハドックはやはりジグよりクラムを使った餌釣りの方がずっと良い。かといって、餌釣りをすると次から次へ dogfish が掛かってくる。この日はそれこそ10匹釣って、9匹が dogfish、1匹がハドックといった調子だった。

dogfish は夏も後半になると浅い海に入ってきて、ストライパーの岸からの餌釣りでも頻繁に掛かるようになる。この dogfish が厄介なのは、鋭い歯でリーダーを傷つけてしまうこと。それから針掛かりすると、やたら糸にからむこと。特に胴付仕掛けの時には、道糸が体に絡まることが多い。

アブラツノザメはいろいろ調べていると、ヨーロッパや日本ではかなり食用目的で流通しているとのこと。日本では東北地方でポピュラーなサメのようだ。サメ類のなかではにおいもすくなく、上品な味だそうだ。私は関東の出身なので、日本では食べたことがなかったのだが、一度 Gloucester の Yankee Fleet の船で、クルーがおろして炒めたものをちょっと食べたことがある。確かに、上品な白身の魚で、サメだといわれなければわからない。


タラの乗り合い船では dogfish はもれなく捨てられる。一度、釣りがだめで dogfish ばかりだったときに、中国人らしき釣り人が何匹か持って帰っていたのを見たくらい。今度気が向いたら持って帰って食べてみようか。

3月21日タラ釣り - Gail Frances

ようやく先週で仕事が一区切りついた。もう週末が仕事でつぶれることは当面ないはず。そうとなると、頭の中は釣りのことでいっぱい(そうでなくても、釣りのことばかり考えているかも...)。

GOM (Gulf of Maine) のタラの解禁は4月15日。乗り合い船は4月の頭からでるのだが、例年シーズンはじめはよくないことが多いので、4月の後半からかなと考えていた。そうなるとあと1ヶ月はある。Block Island のタラはどんなもんかフランセスフリートのレポートをチェックしていたところ、なかなか良く釣れているとのこと。そう聞くともういてもたってもいられない。土曜日は子供が日本語学校に行くので、日曜にすることにした。

土曜日のレポートを読んだところ、木曜日、金曜日に比べて、めっきり食いが落ちたとのこと。普段はここでどうするか一考するところだが、仕事が一区切りついた開放感から、家にいても悶々とするだけだろうし、やはり我慢がきかない。

土曜日の夜、準備をはじめる。今回は、先月作ったタラのベイト用のロッドに、手持ちの Penn のレベルワインドリール。それから、昨年末にグリップとガイドを付け直した、ジグロッドに Daiwa の Saltist 40 の2本。ジグやら、フライやらをいつものタックルケースにまとめ、防寒着を出して準備完了。ここで夜の11時。フランセスの船は朝5時出航なので、家を2時過ぎにでるとなるとあまり寝る時間がない。そこでまた、さっさと出かけてしまって現地で仮眠することにした。


夜11時半頃、家を出発。高速の Exit の近くのガソリンスタンドでガソリンをいれて、サンドイッチでも買っていくことにした。車を止めて、給油口を開いたところで財布を忘れたのに気が付いた。なんかケチが付いてしまった。一度家に帰って出直し。また同じガソリンスタンドに帰ってきて、給油しようとしたら、Pump Stopped の表示。なんだこりゃ。とりあえずガソリンスタンドの店に入ってサンドイッチを買うことに。サンドイッチとスナックを持ってレジに行ったところ、今、引継ぎの途中なのでちょっと待ってろとのこと。どうやら、その引継ぎの間、ポンプは停止していたらしい。ここで5分以上またされる。なんかまたケチがついてしまった。

気を取り直して、ロードアイランドへ向かう。午前2時半過ぎに現地着。先客の車が2台。どの船か知ってるかと声をかけられたので、今日は Gail Frances だってよと教えてあげる。今日は土曜日よりは寒いが、それでも最高気温は50度Fくらいまであがるとのことなので、気合を入れてバウに釣り座を確保。先客はスターンの両サイドに陣取っていた。

今回はブログをはじめたことだし、今シーズンはもっと釣りを写真を撮ろうということで、Pentax の防水カメラ、Optio W80 を買った。車からボートの写真を撮った。

この後来たおじさんと、昨日はだめだったみたいだけど、今日は良いといいねとか、普段は Gloucester に行くんだけど、我慢できなくてねぇとかたわいのない話をした後、少々うとうと。午前4時過ぎに事務所が開いたのでさっさとチェックインして、船のベンチで横になる。

船は予定通り5時に出港。客は25人くらい。レンタルロッド組もそこそこいる。また Block Island のすぐ近くに行くかと思ったのだが、日が登ってきた方角からするとかなり東よりのようだ。2時間15分で最初のポイントについた。あたりには他の釣り船がいないなぁと思って遠くを眺めていたところ、西北西のかなりの距離のところに船団を見つけた。5マイルは離れていると思う。

どうもこのフランセスの船は、他の船団から離れて釣りをする傾向がある気がする。前回はこれがはずれのようだったので、少々いやな予感。まぁ写真でも撮っておくかと思いカメラを探すと...ない。車に忘れた。これでまたケチがついた。ということで、今回の釣行の写真は上の1枚のみ。

ここまで書けば後の様子はもうわかるであろう。ポイントを移動し続けて4時間。まったくうんともすんとも言わない。この間船全体で釣れた魚は skate (小型のエイのなかま) 1匹のみ。 タラどころか、red hake、choggie、dog fish すら、まったく生態反応がない。皆、餌はそのままの状態で戻ってくる。もちろんジグを振り続けてもあたりもかすりもしない。

結局、11時くらいに大移動して、他の船団のいるポイントに行く。このポイントには Viking やら Rosie やら、同じ Point Judith の Seven B's やら大小含めて10艇くらい。他の船の横を通過していくと、小型のタラがあがっているのが見えた。ここでアンカーをうって釣りをはじめる。さっそく、隣の釣り人にリリースサイズのタラがかかる。しかしこれが続かない。

結局ここで2時間程度ねばったが、近くにいた常連の人にぎりぎりキーパーサイズのタラが1匹。他は船全体でリリースサイズが全部で10匹ちょっとといったところ。私は一度餌釣りの仕掛けに小さいあたりがあったが、あわし損ねた。結局、私は終了の5分前くらいに餌仕掛けにかけたマイクロサイズのタラが1匹(もちろんリリースサイズ)でお終い。なんとか魚の姿を見ることはできたが...

結果として約25人の釣り客でキーパーは1匹のみ。8割くらいはリリースサイズや外道も含めて1回も魚をかけることはなかった。

タラの乗り合い船で1匹も持ち帰れなかったのは今まではじめてのこと。やはり Block Island のタラ釣りは相性がわるい。GOM では、タラのキーパーが0だったことは何度かあるが、それでもリリースサイズは何匹が釣れていたし、ハドックやポラック、カスクなど、他の魚がそこそこ釣れるので、お土産がないことはなかったし、ここまで魚の反応がないというのは。

やはり、この RI や NY の船が遠征にくるぐらい、タラ釣りに関しては GOM が本場なんだなぁと思い知らされる。自分にとっては、GOM へ行く釣り船の方がはるかに近くて楽だし。もうよっぽどのことがない限り Block Island のタラ釣りには来ないかなぁ。来シーズンは NH の Eastman がタラはキープできないにしても冬の間船を出すとのことだし。